タロット 塔 正位置の意味とメッセージ

タロット 「16.塔 」のカードの正位置の意味と、このページを見てくださったご縁あるあなたへのメッセージです。

「16.塔 」のカードは真っ黒いカードです。

岩山の上にそびえ立つ石の塔に、雷が落ち、先端の王冠が転がり、塔が火事になっています。

雷は、人のチカラではどうしようもない自然に「起こってくる出来事」を象徴します。

たとえば、急な転勤やリストラ、あるいは住まいが変わったり環境が変わったり、突然大問題が発生したり。

あるいは、まったく経験の無かった事を、突然することになってしまったり。

どんな形で「雷」に象徴されるものが起こってくるのか？それわかりません。

ですが、このカードに描かれた人物たちのように、今まで安住の場所であった「塔」から、新しいものへとジャンプする機会が、あなたに訪れているようです。

「塔」は、これまの友人関係、会社でのポジション、考え方、毎日の時間の使い方…。

「私ってこういう人」というイメージ、人やモノに対してのイメージ…など、あなたにとって馴染みのある、安全で落ち着くものの象徴です。

たとえば、これはわたしのお話ですが。

わたしは以前、東京で美容サロンを開いていました。

その頃のわたしは、娘もいて、パートナーもいて、プライベートも充実。

お仕事も、雑誌でも幾度か取り上げていただいて、より大きい目標、野心を持って行動していました。

多分、どこからみても「自立した女性」だったと思います。

…でも、ある日、倒れて入院してしまったのです。

入院して、数日、私の心は荒れていました。

「自分が何もできなくなってしまった」と感じていたわたしは、「寝たきり」の毎日がとても「みじめ」でした。

でも、ようやくいろんなチューブが体から外されて、はじめて病院でお風呂に入ったとき、そのお湯の温かさに、わたしは思わず泣いてしまいました。

お庭でひなたぼっこして、太陽の温かさを体中に感じるだけでも「しあわせ」を感じられるのに。

そんな、今までいつだって「周りにあったもの」のはずなのに、それまでの私の目にはまったく映っていませんでした。

この世界で生活していながら、わたしは自分の関心事である「仕事を成功させる」という野心以外には、何の興味も無く、ただ、がむしゃらに過ごしていただけ。

そんな風に過ごしてきたことが「なんだか勿体ない」とさえ思えたのです。

燃え尽きて、倒れて、はじめて「世界」を見る目が変わった瞬間でした。

「塔」のカードの出来事は、「一見」それは突然なので、「悪い出来事」のように感じることもあります。

その出来事によって、変化を強いられるため、「自発的な変化」ではないので、はじめはなかなか受け入れられないかもしれません。

ですが、「雷」は、「神鳴り」と言われ、神の声です。恵みなのです。

乗り越えた、この後には必ず、「何か新しい世界」が用意されているのです。

だから、恐れないでください。

今回の「塔」のカードは、1度は悲観したとしても、向き合っていくうちに、それがきっかけで何か「人生観」が変わったり、今まで知らなかった世界を体験したり、新しい「幸福感」をみつけられるはずのものです。

そして、「ああ、あの時、あの出来事があって良かったよね」と、この出来事についての全貌を、ようやく理解できるのは、さらに何年か先のことかもしれません。

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